多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) : 排卵障害
多嚢胞性卵巣症候群は、小さな卵胞が両側の卵巣にたくさんでき(12個以上)、その小さな卵胞が主席卵胞の成長を邪魔して 排卵が困難となってしまう状態です。
病院で超音波検査を受けると卵巣の表面に直径5~10ミリほどの小さな卵胞が連なってみえます。
これが真珠のネックレスのようにみえるので「ネックレスサイン」と呼ばれ無排卵を引き起こします。
排卵誘発剤を使うと卵巣が腫れて、ひどい場合は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となることがあるので注意が必要です。
また、妊娠した場合は流産しやすい、子宮内膜癌を引き起こしやすい、糖尿病にかかりやすいとも言われています。
症状としては軽い方だと排卵しますので妊娠することもありますが、症状として重くなってくるとなかなか排卵しなくなります。しかし排卵してしまえば妊娠に至るまでは決して遠くはないです。
ホルモン分泌に関わる生活習慣を見直すことも重要です。
※症状- 血液検査でLH(黄体ホルモン刺激ホルモン)上昇
- 生理直後にLH>FSH(卵胞ホルモン刺激ホルモン)
- 男性ホルモン値上昇
- インスリン抵抗値上昇
- 声が低音化
- 体毛・肥満など男性化
漢方的には
「痰湿(水の流れが滞るタイプ)・瘀血(血の流れが滞るタイプ)」が卵巣の周りにこびり付き、卵巣膜が硬くなった状態と考えます。
軽度の場合ですと、活血薬(血の巡りをよくする薬)や化痰薬(水の巡りをよくする薬)を配合した周期療法が効果的です。
重度になってくると排卵障害が顕著になり、無排卵となります。
このケースは生理期から低温期に強力に活血化痰し、必要に応じて補腎を行います。
クロミッドなどの排卵誘発剤を併用すると効果的なこともあります。
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